
ピル処方
ピル処方
ピルは、『卵胞ホルモン』と『黄体ホルモン』という2種類のホルモンを含有しており、排卵の抑制(避妊効果)に加え、症状改善などの効果があります。症状によっては保険適用となることも多いので、ご相談ください。
また多くの種類があり、含まれるホルモン剤の種類が少しずつ異なるため、むくみの出やすさや、ニキビの改善効果なども異なるという特徴があるため、ご相談の上、種類を決めていきます。
副作用が出ることがあるため、当院でピルを処方している方には1年に1回血液検査や子宮頸がん検査を実施し安全に配慮の上処方しています。
ピルの効果、副作用は下記の通りです。
低用量ピルの一般的な副作用として頭痛、吐き気、不正出血などがおこることがありますが、これらの症状は飲みはじめの時期に起こり、服用を続けることで消えていきます。
重篤な副作用のひとつに静脈血栓塞栓症がありますが非常に稀です。
静脈血栓塞栓症は、低用量ピルの内服開始後3カ月以内が最も多いことのほか、喫煙者、肥満の方、ご高齢の方の場合に、そのリスクが高まることがわかっています。
静脈血栓塞栓症の症状としては、激しい頭痛、急に目が見えなくなった、しゃべりにくくなった、激しい腹痛、足のむくみ・痛みなどがありますが、早期診断・早期治療で重症化を防ぐことができます。
ピルと同様、避妊や月経困難症の治療として使用されるものにIUS=intrauterine system(ミレーナ)があります。これは黄体ホルモンと呼ばれるホルモンが放出されるT字型のデバイスで一度子宮内に挿入します。避妊効果としては99.8%と高く、効果は最長5年持続します。
ただし「避妊」はできても、性感染症は予防できないので、性感染症を予防するという意味でコンドームは必要になります。
また生理痛がひどい「月経困難症」や生理の量が多い「過多月経」の人にも使用することがあり、その場合は保険適用となります。
挿入は外来診察で入れることができますが、挿入時に軽い生理痛のような下腹部痛があり、人によっては、その日は数時間軽い生理痛のような痛みが続くことがありますが、痛み止めを内服して対処できる程度の痛みです。
挿入のタイミングは月経の終わった後になりますが、挿入前に検査が必要ですので、まずはご相談にいらしてください。
大きな副作用はありませんが、先述のように挿入後半年くらいだらだらと少量の不正出血が続くことがあります。特にそれ自体は異常ではありませんが、どうしても不正出血が耐えられないという場合はやめたほうが良いでしょう。
月経日はホルモン剤によってコントロールすることができます。受験や旅行などどうしても外せないイベントと月経の日程が重なってしまった時には、ご相談ください。
緊急避妊薬とはコンドームの破損、コンドームなしの性交渉など避妊に失敗した際、早期に内服することで、排卵を遅らせたり受精・着床を阻止することで、妊娠するのを防ぐお薬です。現在国内で認められている緊急避妊薬はレボノルゲストレル(ノルレボ®)というホルモンの製剤で性交渉から72時間以内に1錠のみ内服するお薬です。
避妊率は24時間以内の内服で99%、48時間以内で98%、72時間で97%と報告されています。ただ、妊娠阻止率といって内服しなかった場合に妊娠したであろう人たちに限っていうと85%の阻止率なので、実際内服後に妊娠してしまうケースも見られます。
服用はなるべく早い方が効果的ですので、避妊に失敗してからなるべく早めに受診されることをおすすめします。